はじめに
夏休みの宿題の中で、地味に親子共々気が重くなるものといえば読書感想文ではないでしょうか。
「何を書けばいいか分からない」と子どもに聞かれて、正直、大人でも困ってしまいますよね。
うちの娘はまだ1年生ですが、これから毎年向き合うことになる宿題なので、今のうちに書き方の型を整理しておこうと思います。
今日は、子どもが自分の力で書けるようになるための手順を、親のサポートの仕方、あると便利なグッズも含めてご紹介します。
そもそも読書感想文は何を書けばいいの?
読書感想文と聞くと、「あらすじをまとめる作文」だと思われがちですが、実はこれ、よくある誤解です。
読書感想文で本当に求められているのは、本を読んで自分がどう感じたか、何を考えたかという部分です。
あらすじの紹介はあくまで「前置き」。
メインは、その本を通して子ども自身が感じたこと・気づいたことです。
ここを最初に押さえておくだけで、書く方向性がだいぶ定まります。
学校の先生が読書感想文を通して見ているのは、実は「本の内容を正確に理解できているか」ではなく、「自分の頭で考え、それを言葉にできているか」という点だと言われています。
ですので、あらすじが多少不正確でも、そこまで気にしなくて大丈夫です。
本を選ぶときのコツ
感想文を書きやすいかどうかは、実は本選びの段階で7割決まると言われています。
- 主人公の年齢が近い本:自分に重ねやすく、感情が動きやすい
- 感動した・驚いた・悔しかったなど、感情の起伏がある本:何も感じない本より書きやすい
- すでに一度読んだことがある本や好きなシリーズ:内容を覚えているので取りかかりやすい
- ページ数が学年に合っている本:分厚すぎる本は読み切れず、感想文にたどり着けないことも
「名作だから」「賞を取っているから」という理由だけで難しい本を選んでしまうと、内容の理解に時間がかかり、感想を書く段階までたどり着けないことがあります。
子ども自身が「読んでみたい」と思える本を選ぶのが一番の近道です。
書店や図書館に「読書感想文向け」として課題図書コーナーが用意されていることも多いので、迷ったらそこから選ぶのも一つの手です。
書く前にやっておきたい準備
いきなり原稿用紙に向かわせると、多くの子どもが手が止まってしまいます。書く前に、次のようなメモ作りをしておくとスムーズです。
付箋・メモ作戦
本を読みながら、「あれ?」「すごい!」「かわいそう」など、何か心が動いた場面に付箋を貼っておきます。
読み終わった後、その付箋の場所を見返すだけで、感想を書くための材料が自然と集まります。
付箋は何色か用意しておいて、「楽しかった場面は青」「びっくりした場面はピンク」のように色分けすると、後から見返すときにさらに整理しやすくなります。
親子で話す時間を作る
読み終わった後、「どこが一番面白かった?」「もし自分だったらどうする?」と軽く聞いてみるのもおすすめです。
口に出して話したことは、文章にしやすくなるので、いきなり書かせるより会話をワンクッション挟む方が、子どもにとってハードルが下がります。
下書き用のメモ用紙を用意する
いきなり原稿用紙に清書させると、間違えるたびに消しゴムで消す作業が発生し、それだけで子どものやる気が削られてしまいます。まずは自由帳やメモ用紙に、思いついたことを箇条書きで書き出してから、清書に進む流れがおすすめです。
実際の構成(型)
低学年〜中学年向けに、シンプルな4部構成をご紹介します。
① この本を選んだ理由(3〜4行)
「なぜこの本を読もうと思ったのか」を書きます。「表紙が気になった」「シリーズが好きだから」など、単純な理由で構いません。
書き出し例:「わたしがこの本をえらんだのは、〜だからです。」
② 印象に残った場面(全体の半分くらい)
一番心が動いた場面を1つか2つ選び、「どんな場面だったか」「そのときどう思ったか」を書きます。
ここが感想文の中心です。あらすじを全部書く必要はなく、心が動いた場面だけを詳しく書くのがポイントです。
書き出し例:「わたしがいちばん心にのこったのは、〜の場面です。」
③ 自分と比べて考えたこと
主人公の行動や気持ちと、自分自身の経験を比べてみます。
「自分だったらこうする」「似たようなことが自分にもあった」など、本の世界と自分の生活をつなげる部分です。
書き出し例:「もしわたしが主人公だったら、〜すると思います。」
④ 読んだ後に思ったこと・変わったこと
読む前と読んだ後で、考え方や気持ちがどう変わったかを書いて締めくくります。
「〜と思うようになった」「これから〜してみたい」といった前向きな一言で終えると、まとまりのある文章になります。
書き出し例:「この本を読んで、わたしは〜と思うようになりました。」
学年別の文字数・書き方の目安
学校や自治体によって規定は異なりますが、一般的な目安は次の通りです。
- 低学年(1〜2年生):800字程度。①〜④をそれぞれ短くまとめる。ひらがな・カタカナ中心でOK。
- 中学年(3〜4年生):1,200字程度。②の場面をもう少し具体的に描写する。
- 高学年(5〜6年生):1,200〜1,600字程度。③の「自分と比べて考えたこと」の部分を厚くし、社会や他者との関わりまで視野を広げられると評価されやすい傾向があります。
低学年のうちは文字数を気にしすぎず、「思ったことを素直に書けているか」を優先してあげると、感想文自体への苦手意識がつきにくくなります。
行き詰まったときの質問リスト
子どもが「もう書くことがない」と手を止めてしまったとき、こんな質問を投げかけてみると、意外と言葉が出てくることがあります。
- 「その場面で、主人公はどんな顔をしてたと思う?」
- 「自分だったら、その時どうしてた?」
- 「読んでてびっくりしたところはどこ?」
- 「もし続きがあるなら、どうなってほしい?」
- 「この本を読む前と後で、何か考え方変わった?」
答えを親が代わりに考えるのではなく、質問を投げて、子どもの言葉を引き出すことが大切です。
出てきた答えは、その場でメモしてあげると、後で子ども自身が文章にしやすくなります。
親はどこまで手伝っていい?
これ、多くの親が悩むポイントだと思います。
結論から言うと、文章そのものを代わりに書くのはNGですが、次のようなサポートは問題ありません。
- 本選びに一緒に付き合う
- 「どう思った?」と質問して、言葉を引き出す
- 話した内容を子どもがメモするのを手伝う
- 誤字脱字のチェックをする
- 原稿用紙の使い方(段落の下げ方、句読点のルールなど)を教える
大事なのは、子ども自身の言葉で書かれていることです。
親がきれいな文章に直しすぎると、逆に「自分の感想文」ではなくなってしまいます。
多少ぎこちない表現でも、子どもらしい言葉のまま残してあげる方が、結果として評価されやすい傾向にあります。
あると便利なグッズ
読書感想文まわりで、用意しておくとスムーズに進むアイテムをまとめました。
読書感想文の書き方ドリル・ワークブック
「①この本を選んだ理由→②印象に残った場面→③自分と比べて→④読んだ後の変化」という型を、書き込み式で身につけられるドリルが市販されています。
毎年の宿題で同じ流れに悩む場合、1冊持っておくと親の説明の手間がぐっと減ります。
色分けふせん(ページに貼れるタイプ)
本を汚さずに気になった場面をマークできる、薄手のふせんが便利です。
色ごとに「楽しい」「びっくり」など感情を割り振ると、読み終えた後の振り返りがスムーズになります。
好きなデザインで揃えてあげると、より楽しく取り組めそうですね。
読書感想文向けの原稿用紙
学校指定のものがない場合は、マス目が見やすく、低学年でも書きやすいサイズの原稿用紙を選んであげると、清書のハードルが下がります。
まとめ
読書感想文は、正解のある作文ではありません。
同じ本を読んでも、感じることは子どもによって違って当たり前です。
- まずは本選びから、子どもの「読みたい」を尊重する
- 読みながら付箋でメモを取る
- 「この本を選んだ理由→印象に残った場面→自分と比べて→読んだ後の変化」の4部構成で書く
- 行き詰まったら、質問を投げて言葉を引き出す
- 親は質問役・整理係に徹する
この流れさえ押さえておけば、真っ白な原稿用紙を前に固まってしまう時間も、きっと減らせるはずです。
この記事が「うちの子にも試してみようかな」と思うきっかけになれば嬉しいです。実際に取り入れてみた感想があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
